チック・トゥレットの為の呼吸法は大きく分けて2種類

当会が運営するオンラインコミュニティに呼吸法に関するご質問がありました

医師が呼吸に関する論文を発表されるなど、ここ最近呼吸法に注目が集まっているのかもしれません

今回はその回答の内容が、呼吸法を練習されている方にとって何かの参考になるかも知れないと思い、TSブログにも同様の内容を投稿致します。

・チックの為の呼吸法は大きく分けて2つあると私は考えています。

①リラクゼーションの為の呼吸法

これが深呼吸をはじめ、腹式呼吸、マインドフルネス・瞑想の呼吸等

ヨガの呼吸法にも副交感神経を優位にするもの、逆に交感神経を優位にするものがあるようですが

リラクゼーションを目的とした呼吸法は基本的に副交感神経を優位にするものだと考えています

副交感神経を優位にすることにより、脳の興奮が静まり、その結果チックが穏やかになる場合もあります。

怒りに対するコントロール方法としてもこちらの呼吸法が役に立つと思います。

②音声チックの前駆衝動にアプローチする呼吸法

前駆衝動を適切に感じれない方は②の呼吸法を練習する前に①の呼吸法を練習してみましょう。

①の呼吸法は②の呼吸法に比べれば誰でも簡単に行う事が出来ると思いますが、②の呼吸法は人によって十分な時間のトレーニングが必要となります。

②の呼吸法をマスター出来ると音声チックをより軽減若しくはかなりコントロール出来るようになります。

音声チックの為の呼吸法は細かなポイントがいくつかあります

そしてそれらは当事者によって微妙に異なったりもします、トゥレット当事者会ではセッションを行いながら適切な呼吸法を身につけられるようトレーニングを行っています。

※ここでいう音声チックとは

  • 単純な発声
  • 奇声や叫び声
  • 反復言語(パリラリア)
  • 反響言語(エコラリア)
  • 汚言症(コプロラリア)
  • 咳チックや鼻や喉をならすチックにも場合によっては効果があります。

・音声チックの為の呼吸法の簡単なポイントをご紹介致します。

ポイント⑴

・息を鼻から吸うか口から吸うか?

先ずは声(音)が口から出ているのか、鼻から出ているのか調べます

口から出ている場合は、口から息を吸い

鼻から出ている場合は、鼻から息を吸ってください

そして息を吐く時は、吸った時と逆の場所から息を吐きましょう

口から息を吸ったら、鼻から息を吐く

鼻から息を吸ったら、口から息を吐く

ポイント⑵

・ゆっくり息を吸い、ゆっくり息を吐く

5秒以上かけて息を吸い、8秒以上かけて息を吐いてください

コツを掴む為に出来る限りゆっくり呼吸を行いましょう。

ポイント⑶

・前駆衝動が無くなるまで最低1分以上行う

②の呼吸法は①の呼吸法とは異なり直接前駆衝動にアプローチし、その衝動を鎮めます

音声チックの前駆衝動を感じたら、若しくは音声チックが出始めたら呼吸法を開始してください。

軽症の方は①の呼吸法で前駆衝動を鎮められる事もありますが、②の呼吸法ではその精度が格段に上がります。

呼吸法や、認知行動療法によりチック症・トゥレット症を改善させるためには、ご自身の体にどんな反応、どんな変化があるのか?

先ずはそれらを感じ取る事がとても大切です。

他にもコツがいくつかありますが、必ずしもこれらが絶対ではありません、呼吸法の基本としてご参考にしていただけたらと思います。

※音声チックの為の呼吸法は日々研究を重ね、より効果的な方法を検証しております、その為日々呼吸法の内容をブラッシュアップさせています。呼吸法にご興味のある方は、より最新の情報をご確認ください、また呼吸法の効果は個々に異なり改善度合いも様々ですが、トレーニングを重ねる事によりその効果は上がるのだと私は感じております。