Neupulse:チック症トゥレット症に新たな希望をもたらす非薬物療法

トゥレット症候群(TS)に悩む方々にとって、日常生活でのチック症状の管理は大きな課題です。Neurotherapeutics Ltd.は、非侵襲的なウェアラブルデバイスを開発し、TS患者の生活の質向上を目指しています。

■ Neupulseデバイスとは?

Neupulseは、手首に装着するリストバンド型のデバイスで、正中神経に微弱な電気刺激を与えることで、チックの頻度と衝動を軽減することを目的としています。 このデバイスは、ユーザーが自身の症状をコントロールできるよう支援することを目指しています。

■臨床試験の成果

2023年に英国で実施された二重盲検試験では、121人の参加者が1日15分間、4週間にわたりデバイスを使用しました。 その結果、59%の参加者がチックの頻度を25%以上減少させ、4週間の使用で35%以上の重症度低下が報告されました。

■開発の背景と進捗

Neupulseは、ノッティンガム大学の研究成果を基に、非侵襲的な脳刺激技術を活用して開発されています。 2024年には、Midlands Engine Investment Fund IIからの資金調達を受け、デバイスの商業化に向けた取り組みが加速しています。

■今後の展望

Neupulseは、2026年の英国での製品発売を目指しており、その後、他国への展開も計画されています。 現在、英国在住の12歳以上の方を対象に研究参加者を募集中です。 興味のある方は、公式サイトから詳細をご確認ください。

参考URL▶https://neupulse.co


Neupulseの取り組みは、トゥレット症候群に悩む多くの人々に新たな選択肢を提供する可能性があります。また、私見ではありますが、CBIT (ハビットリバーサル) やERP (暴露反応妨害法)といったチックの行動療法との併用による相乗効果も期待したいところです。今後の研究の進展と臨床での応用に注目していきたいと思います。