環太平洋精神科医会議&世界文化精神医学会 合同開催会議に参加してきました

先日、環太平洋精神科医会議(PAPC)と世界文化精神医学会(WACP)の合同開催会議に参加してきました。

国際色豊かな学会で、世界各国の先生方が文化や社会的背景をふまえたメンタルヘルスの在り方について議論されており、とても刺激的な時間でした。

最終日には、トゥレット症に関する発表が複数ありました。
その中でも特に印象的だったのが、大阪大学の村上先生による、チック症に対するマウスピース治療の研究です。
実際の臨床で着実に成果を積み重ねておられ、今後の発展に大きな期待を感じました。

さらに興味深かったのは、アメリカから参加されていた先生の発表です。
日本国内ではあまり語られない視点が多く、当事者としても共感できる内容がいくつもありました。
お話を伺ううちに、その研究チームにはトゥレット症の当事者が研究者として複数名参加していることを知り、なるほど!と深く納得しました。
当事者が研究の現場に関わることで、より現実的で本質的な知見が生まれているのだと感じます。

一方で、日本ではまだ当事者が専門的に研究や実践の場で活躍できる機会が限られています。
欧米と比べると研究体制の整備は遅れている部分もありますが、私自身も参加している研究チームの一員として、より良い成果を目指して精進してまいります。

最後に、トゥレット症の第一人者でもある金生医師とのツーショット写真です。
学会ではトゥレット協会の啓発ブースも出展されており、1日だけですが私もお手伝いさせていただきました。

ちなみに、金生医師はこれまで東京大学医学部附属病院にご勤務されていましたが、現在は定年退職され、東京都豊島区・大塚駅近くの全国療育相談センターのセンター長を務めておられます。
転任されたばかりとのことで、ブログ投稿時点では比較的予約が取りやすいそうです。
関東圏で受診先をお探しの方は、直接お問い合わせされるとよいかもしれません。