❶チックへの認知行動療法体験交流会に参加してみようと思ったきっかけや理由を教えてください。

日常生活を送る事も難しいほどの状況になってしまい、児童精神科の受診、投薬も効果がなく、色々と調べていく中でチックへの認知行動療法を知り、試してみたいと思い参加しました。

❷交流会に参加する前ご不安だったことなど何かございますか?

不安よりも期待が大きかったです。トゥレット当事者会のホームページから得られる情報がとても有益だったため「認知行動療法を試したい」という気持ちのほうが大きかったためです。

❸体験交流会に参加する前のお子さんのチックの種類や状態を教えて下さい。

鼻鳴らし(フンっと鼻から息を強く出す)が日中を通して出ていました。テレビを観ている際はとくに頻度が増え、ずっと鼻鳴らしが出ていました。さらに症状がひどくなると、座っている状態からのけ反るように飛び跳ねる運動チックが出ており、とくに就寝前にこの症状が強かったです。

❹ご自宅ではどのようなトレーニングを行いましたか?

機能分析、アウェアネストレーニング、拮抗反応と、教えていただいたステップで進めていいきました。

息子は説明を聞いてすぐに感覚的にも理解できたようでした。前駆衝動の感じ取りはすぐにできてアウェアネストレーニングはスムーズにできました。

拮抗反応のトレーニングでは、お尻のムズムズと鼻鳴らしに対する拮抗反応として、座った状態で肛門にギュッと力を入れながら鼻から息を吸い口から吐く呼吸法を行いました

トレーニング中は隣に座って見守ったり、ムズムズが消えた後にさらに一分間キープの際は時間をはかってあげたりと一緒に行うようにしました。

難しいトレーニングなので、ゴールのご褒美を決めてモチベーションをキープできるように工夫しました。

❺トレーニングを行っている時のお子さんの様子を教えて下さい。

日常生活も難しいほどの症状があったので、本人も積極的にとりくんでいました。トレーニングを行うにつれて辛い症状が軽減していくのを実感している様子でした。

ただ、一度トレーニングで軽減したチックも油断するとまた繰り返し出てくる事と、トレーニングが簡単ではないだけに心が折れそうになる様子も見られました。

しかし「トレーニングすればチックは軽減するんだ」という事は本人にとっても支えになっているようです。

❻トレーニング後のチックの変化を教えてください。

トレーニング前は座位も難しく、学校にも行けず、本やテレビ、お出かけなど生活の楽しみがなにも持てない状況でした。

トレーニングを始めて一週間程で症状が軽減し始め、酷い時を10割としたら1割、2割にまで減りました。(息子本人の感覚では5割)またチックが軽減すると同時に脅迫障害なども減っていきました。

交流会に参加する以前は「優しい無視」と良く言われているように、あまりチックに関して話しをする事がなかったのですが、トレーニングを始めてから、家族でチックについて話す事が増えました。

本人も自分の体調(精神面、身体面)についてしっかり向き合うようになり、「最近は少し頑張りすぎたから休もう」「今は調子が良いからチックが少しでてるけど頑張れそう」などの匙加減ができるようになってきました。

❼体験交流会にご参加されたお子さんの感想がもしあれば教えて下さい。

息子は「チックは辛いよね。トレーニングも簡単じゃないよね!」と辛さを共感してもらえて嬉しかったようです。また、治す方法がない辛さの中で一つまだ方法が残っていて良かったと思いました。


❽体験交流会で学んだチックへの認知行動療法に対するお母様の感想を教えて下さい。

息子にはチックに対する認知行動療法がとても効果があり、本当に助けとなりました。

交流会への参加前は「このままチックの症状がひどくなっていったらどうしよう」と不安を持ちながらも「チックは波があるからいまは様子をみるしかない。

病院にいっても薬を飲んで様子を見るしかない」とやれることがなく、日に日に症状がひどくなる息子にやってあげられることがほとんどありませんでした。

しかし、認知行動療法の効果を体感することで「チックはひどくならないようコントロール出来る」「何か1つでもチックに対して出来ることがあって良かった」と将来に対する不安も減らすことが出来るようになりました。

また、チックへの認知行動療法に関する情報は調べてもなかなか見つからない現状で、講座を受けて得られた情報はとても貴重なものでした。

当事者にしか分からない感覚的な事に関するアドバイスをいただけたのは何より参考になりました。長時間の移動が難しい息子にとってオンラインで自宅で交流会に参加できたこともありがたかったです。

❾チックには様々な治療法がありますが、チックへの認知行動療法はどの様な方にお勧めできますか?

チックに悩み生活に支障がでている全ての方におススメしたいです。息子のチック症状が認知行動療法で改善できたからこういった意見になるのかもしれません。

❿最後にチック・トゥレット症でお悩みのお母様方は大変多くいらっしゃます、そのような方にお伝えできることや、アンケートにない内容で、もしお伝えしたいことがあればご記載をお願いいたします。

チックに苦しむ子供を目の前に見守る事しかできないのは本人はもちろん、親としてもとても辛いものです。チックが酷い時は病院を受診するのも難しく、ようやく受診できても思うような効果を得られずにガッカリする事も多いとおもいます。

他に出来る事は無いのかと私達家族も悩んでいた時にチックへの認知行動療法を知りました。一つでもまだ方法が残っているだけで助けられた気持ちになりました。

また、息子はトレーニングによりチック軽減の効果を実感することができました。交流会で学んだ認知行動療法とその成功体験は今後の私達家族の支えになると思っています。