チック・トゥレットの為の歯科スプリント治療とは、個々に適したチック専用のマウスピースを制作・装着することで、運動チック音声チックが軽減する可能性がある治療法です。

マウスピース(口腔内スプリント)を装着し咬合すると、閉口筋筋紡錘に生じる筋紡錘感覚が無意識下で増強されます。この筋紡錘感覚の増強が、トゥレット症候群のチックを減少させた可能性を考えています。筋紡錘感覚が大脳で情動機能を担っている島皮質に伝達されることが、動物実験で明らかになっているためです。※大阪大学HPより

どの様なチック症状に効果があるのか、そしてチック症状がどのくらい軽減するのかは個々に異なりますが(マウスピースが逆に気になり悪化する場合もあり)、大阪大学の研究によると症状を緩和出来る可能性が十分にある様です。

チック・トゥレット当事者及びその保護者から伺ったお話では、効果は装着している時にあり、マウスピースを外すと元に戻る、またはやや穏やかな状態が少しの間継続する、マウスピース装着時は話しにくくなる場合もある様です。

また、マウスピースを付け始めた当初は十分な効果があったが、少しずつその感覚に慣れてしまい時間と共に効果が薄れてしまう方もいらっしゃる様です、従って継続的な調整(スプリントの高さ等)が必要となる場合もございます。

個人的意見ですが、マウスピースを常に装着するのもよいのですが、チックが酷い時だけ、若しくは公共の場など出来る限りチックを抑えたい時など、状況に応じて脱着するのも効果を長く持続させる1つのポイントかもしれません。

保険適用か否かについて

伺ったお話では保険適用の医院もあったが、自由診療(100%自己負担)の医院もある様です。

おそらくトゥレットの治療法として保険適用と認められてはいないが、歯ぎしりや強く噛み締めてしまう方の歯科治療として作る、マウスピースの一種としての保険適用になっている場合もあるのではないかと推測いたします(あくまでも個人的見解です)。

従ってご依頼いだだく歯科医院により、そのご対応は異なる場合もあるかと思いますので、保険適用かどうか、歯科医院にかかる事前にお問い合わせいていただいた方が良いかと思います。

[ 補足 ]

よく勘違いされる事があるのですが、チック・トゥレット専用のマウスピースは、市販で作れるマウスピースや歯ぎしり用、スポーツ用とは全く異なります

しかしながら、それら一般的なマウスピースを口内の自傷系チックの対処法として利用されている方もおられます。

チックとは不思議なもので、ちょっとした感覚の違いでその衝動が気にならなくなり、その結果チックが軽減、逆に悪化してしまう事もあります

意外と自分で対処出来るチック症状もあったりするものです。

マウスピースだけではなく、薬物療法、認知行動療法など複合的にチックに対処することが症状を軽減させる秘訣です。

・チック症・トゥレット症(トゥレット症候群)の為の専用マウスピースを作成していただける歯科医院はこちら↓↓↓

トゥレット症候群治療推進学会(歯科診療機関リスト)

・チック・トゥレットの為の歯科スプリント治療(マウスピース)の効果を検証されている大阪大学HP↓↓↓

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