チックには、触れない、反応しない、見守る事しか出来ないの?

幼少期にチックが発症し、かかりつけの小児科などを受診すると、出ているチックが、瞬きや咳払いなど軽度のチックの場合

「チック症ですね、ストレスをなるべくなくし、チックには触れずしばらく様子を見てください」

などと言われた方も多いいのではないでしょうか?

また、数ヶ月してもチックが治まらず、むしろ少し悪化している?若しくは、以前のチックは無くなったが、新しいチックがでてきた…そのため再度病院を受診

「日常生活に支障がある様でしたらお薬を服用してみますか?大人になる頃には大概の方がチックは無くなっていますから安心してください」

と言われたものの、あれから数ヶ月一向にチックが治まる感じもなく…いったいどうしたら良いのかとお考えの親御さんも多いのではないでしょうか?

チックは基本、触れない、反応しない、チック症状が無いものとして接するのが原則です。

何故なら当事者は、チックに触れられると様々なストレスが生じチックが悪化、チックを見られていると感じるだけでも悪化

チックの事を忘れていた為、チックが出ていなかったが、チックの話をされたり、チックを意識した為、チックが出始めてしまう方も…

親御さんはチックが自然に消えていくまで見守る事しか出来ないのでしょうか?

医師から上記の様な説明があり、その様にお考えの方も多いかと思いますが

当事者がチックに対して、どの様に考えているのか?どの様に受け止めているのか?生活に支障を感じているのか?これらはお子様に直接伺ってみなければわかりません

そしてその感覚はお子様それぞれで異なります、チック症状に対してお子様がどの様に感じているのか?治したいと思っているのか?

実は親御さんが気にし過ぎているだけで、当の本人は全く気にしていなかった、なんてこともあります。

チックには触れない、反応しない、が基本ですが、チック症状をお子様がどの様に感じているかは、お話しする必要があるのです

そして、お子様がどう感じているかによって治療を開始したり、学校への配慮を求めたりと行動する必要が出てくるのです。

幼児期にチックが発症することが多いかと思いますが、この頃にはまだチックに対して、適切な認識を得ることは難しいかもしれません、学童期に入ってから、チックに対するお話を適切にする事が出来るお子様も増えくるのではないでしょうか。

チック症状への認知行動療法も一般的には9歳前後から可能であると言われております、つまりその頃からチック症状に対して、様々な認識をお子様が得ることが出来る年齢であるということ。

お子様によってはチックの話をしようとしただけで、嫌な顔をする子も少なくないと思いますが、お子様によっては症状が一過性ではなく、長期的な視野で対処する必要がある場合もございます。

その様な場合は、お子様とのチックに対するコミュニケーションが必要不可欠であります、むしろ親子でチックに対するお話がストレスなく出来る環境を、小さい頃から整えておくことで、先々の問題を未然に防ぐ事が出来る場合もあると思います。

トゥレット症当事者である私の個人的な意見を申せば、チックの悩みを素直に相談出来る相手、理解者が、家庭内に一人でも居てくれたら、どれだけ救われることでしょう。

当事者でなくとも、ひとりで悩まれているお母様、親御さんも多いと思います

一人で悩んでいてもあまり良い結論は生まれません、お子様とその様なお話ができる年齢になったのであれば、お子様と一緒に考える、一緒に対処法、治療法を考える、そして当会のような支援団体の力も是非ご活用してください。

※当会には同じ境遇の方同士、悩みや情報を共有できる、オンラインコミュニティが無料でご利用頂けます。

また、チック症状への認知行動療法も無料で行っております、認知行動療法のご依頼やご相談は tourette.jp@gmail.com まで。