アウェアネストレーニングのやり方(前駆衝動への気付きの練習)/ハビットリバーサル

チック症状への認知行動療法(CBIT/ハビットリバーサル・呼吸法・ERP)でチックを改善させる為には、チック症状が意識的な運動、動作でなければなりません。

最近までチックは不随意運動(無意識)といわれていましたが、研究が進み現在は、半随意運動などといわれたりしています。

幼い頃は、チックが無意識で勝手に出てしまうことが多いのですが、成長とともに意識的なチックに変わっていくことが大半なのではないでしょうか。

成長と共に全ての方のチック症状が意識的なものになるというわけではありません、また、無意識のうちに勝手に出てしまうチック、意識的に出しているチックが併存している場合もあります。

チックが意識的な運動になる為には、チックが起こる前の身体のムズムズ等の違和感、つまり前駆衝動(Premonitory urge)に気付けるようにならなければいけません。

今回はその前駆衝動への気付きを高める為の練習、「アウェアネストレーニング」のやり方を投稿いたします。

チック症状への認知行動療法に興味があるが、うちの子若しかしたら無意識でチックが出てるかもしれない…🤔 という方は、難しいことではないので、先ずはこのトレーニングを行なってみてください。

アウェアネストレーニングのやり方
STEP ❶【チックが出た事に気付く】

画像の様に親子で向き合い、ターゲットにしたチックが出たら、親も子もチックに気づいた時点で、手または人差し指を上げる。

親御さんとお子さんどちらが先に手を上げられるか、対戦表などを作り、楽しくゲーム感覚で行いましょう。

お子さんが上手にチックに気付くことが出来たら、しっかりと褒めてあげましょう。

ターゲットにしたチックが10回~20回くらい出る時間、もしくは30分前後、1分に1回くらいの頻度でチックが出るのであれば、約20分間アウェアネストレーニングを行います。

仮に、20分間で10回もチックが出ないのであれば、敢えてチックが出やすい状況(TVやゲーム中等)を作りトレーニングを行いましょう。

アウェアネストレーニングを行っていると、普段よりチックが出にくくなってしまう場合がありますが、そのような時も同様の考えで行ってください。

初めは手をあげる前にチックが出てしまうことが多いかもしれませんが、毎日一定時間のトレーニングを継続することによって、少しずつチックに気付けるようになっていきます。

仮に20分間のトレーニング中に、20回チックが出た場合、その8割以上、つまり16回以上のチックに、お子さんが親御さんより早く手を上げられるようになったらSTEP①は合格です、STEP②のトレーニングに移りましょう。

無意識のチックが多い場合は、チックに気付きやすい落ち着いた状況など、ハードルの低い所から行い、トレーニングの進捗状況によって、少しずつチックが出やすい環境へハードルを上げていきましょう。

STEP ❷【チックが出る前の前駆衝動に気付く】

STEP①のトレーニングを行っていると、徐々にチックと同時に手があがる、チックよりも先に手をあげていることがある、その様な状況に変化してきたら、トレーニングの成果が上がり、STEP②に移行するタイミングが近づいているのかもしれません。

STEP①は、チックが出てから手や指をあげるトレーニングですが、STEP②はチックが出る前のムズムズ感などの前駆衝動や、チックシグナル(チックが起こる前の体の動き等)を感じたら、チックが出る前に手や人差し指をあげます。

手をあげずにチックが出てしまったら、それは前駆衝動を感じれずに、無意識でチックが出ていることになります。

STEP②もSTEP①同様の考え方で、一定時間のチックをターゲットにし、その8割のチックに対して、チックが起こる前に手や指をあげられるようになるまで、毎日トレーニングを行いましょう。

トレーニングは楽しく、上手に前駆衝動に気づけた時は、ご褒美をあげるなど、お子様のモチベーションを高める工夫をしましょう。

手をあげてからチックを出すのが通常のトレーニングですが 、手をあげただけでチックが出ないなんてこともあります。前駆衝動を感じたが、チックを出さなくても平気、という場合もあります、特に問題はないのでそのままトレーニングを継続しましょう。

親御さんと一緒にやるのは恥ずかしいなど、大人や思春期の当事者の場合、セルフモニタリングというアウェアネストレーニングの行い方があります。

やり方とても簡単です、一定時間STEP1①やSTEP②を、スマートフォンなどで録画・録音しながら行ってください。

録画・録音中に自分が気付いたチックや前駆衝動に対して、ノートにカウントしていき、トレーニング終了後、録画した動画や音声をもとに答え合わせを行いましょう。

ターゲットにしたチック症状の、8割以上の前駆衝動に気付ける様になったら、本格的なハビットリバーサルトレーニングを開始することができます。

アウェアネストレーニングを行っただけでチックが減ってきた、なんてことも少なくはない話です。それだけにチックへ意識を向けること、前駆衝動ヘのフォーカスは大切なことなのかもしれません。

また、十分なトレーニングを行ったが、なかなか前駆衝動に気付けないこともあります。

前駆衝動への気付きは成長と共にあがってくる場合が多いと言われています、そしてチック症状への認知行動療法(CBIT/ハビットリバーサル)は9歳頃からセッションが可能な場合が多いと言われているように、それ以下の年齢のお子様の場合など、もう少し大きくなってから、改めてチャレンジしてみるのも良いかもしれませんね。

前駆衝動への気付きは、大人になってもあまり得られない方も中にはおられます、その点も十分に考慮した上でトレーニングを行ってください。