【開催後報告】チック症・トゥレット症 東京交流会2025

2025年12月28日、東京・大森にて
「チック症・トゥレット症 東京交流会2025」を開催しました。


当日は、当事者・保護者あわせて約60名の方にご参加いただき、会場は終始あたたかく、安心感のある空気に包まれていました。
初めて参加された方、久しぶりに顔を合わせた方、それぞれの立場や年齢は違っても、「チック症・トゥレット症」という共通点を通して、自然につながりが生まれる一日となりました。


第1部|当事者による講演と対話の時間
第1部では、3名の当事者が登壇し、これまでの歩みについてお話ししてくださいました。


・学校生活での困りごと
・周囲との関係の中で感じてきたこと
・これまで受けてきた治療や向き合い方
どのお話も、とても率直で、実感のこもったものでした。特に印象的だったのは、チックに対する行動療法についてのお話です。
3名とも実際に行動療法を経験されており、三者三様の効果や気づきを語ってくださいました。
「万能な方法」ではなく、「自分に合う形を探していくもの」というリアルな言葉に、うなずきながら聞いている参加者の姿が多く見られました。
その後の質疑応答では、登壇者だけでなく、登壇者のお母さまにもご参加いただきました。


当事者の視点、保護者の視点、その両方から丁寧に言葉が紡がれ、「一人で抱えなくていいんだ」と感じられる時間になったように思います。
第1部の最後は、参加者同士でのグループ交流。


同じ立場だからこそ話せること、言葉にしなくても伝わる空気があり、会場のあちこちで、静かな笑顔やうなずきが見られました。


第2部|ゲームがつなぐ、自然な交流
第2部は雰囲気がぐっと変わり、交流を中心とした時間です。いくつかのグループに分かれて行ったのは、ボードゲームの「ito(イト)」


「ito」は、お題に対して自分の感じ方を数字で表し、その理由を言葉にしながら、価値観の違いを楽しむ協力型ゲームです。
正解・不正解を競うのではなく、「そういう考え方もあるんだね」と互いを知っていくことが目的のゲームです。
ゲームをきっかけに、初参加で緊張していたけれど、自然に話せたなどという声も聞かれました。


その後は、恒例のビンゴ大会。会場前方にはたくさんの景品が並び、大人も子どもも一緒になって大盛り上がりでした。


今回は特別ルールとして、「ito」を見事に成功させたグループのメンバーには、ビンゴカードをもう1枚!
会場からは歓声と笑い声があふれ、あたたかく楽しい時間となりました。

この交流会は、「チック症・トゥレット症があっても、安心していられる場所をつくりたい」そんな想いから続けています。
何かを解決しなくてもいい。
うまく話せなくてもいい。
ただそこにいて、「自分は一人じゃない」と感じられること。
今回の交流会が、参加された皆さんにとって、少しでも希望や勇気につながる時間になっていたら、これ以上うれしいことはありません。
また、どこかでお会いできることを、運営一同心より楽しみにしています。