強迫性障害(OCD)を対処する事も重要

チック症状がある程度習慣化してくると、強迫観念や強迫行為が現れてくる場合があります

私自身もそうでしたが、多くの当事者のお話を聞くと、これってチックなの?強迫なの?

どちらかわからないようなチック症状が出現します。

強迫性障害(OCD)とは?

強迫性障害では、自分でもつまらないことだとわかっていても、そのことが頭から離れない、わかっていながら何度も同じ確認をくりかえしてしまうことで、日常生活にも影響が出てきます。意志に反して頭に浮かんでしまって払いのけられない考えを強迫観念、ある行為をしないでいられないことを強迫行為といいます。たとえば、不潔に思えて過剰に手を洗う、戸締りなどを何度も確認せずにはいられないといったことがあります。
こころの病気であることに気づかない人も多いのですが、治療によって改善する病気です。「しないではいられない」「考えずにいらない」ことで、つらくなっていたり不便を感じるときには、専門機関に相談してみましょう。※厚生労働省HPより

強迫性障害とチック症状が併合すると…

必要以上に後ろや周囲を確認したり、とある感覚を覚えるまで同じチックを出し続ける、やってはいけないと考えれば考える程とある行為や動作を行いたくなる(例:ガラスを叩く、人を触る、尖った物を自分の体に刺したくなる、熱いものに触りたくなる…etc)

チック発祥初期は瞬きや、顔面チック、肩すくめ、鼻鳴らし、咳払いなど単純チックが主ですが、慢性チック症やトゥレット症となると強迫の混ざった複雑チックが発症する場合があります。

チック症状とは本来体に生じる前駆衝動(違和感、ムズムズ感)を解消する為に行う動作

それがいつしか習慣化してしまい、やらずにはいられない、やらないと落ち着かない強い衝動へと変化してしまいます。

この負の習慣を改善する為には強迫性障害を対処する事も大変需要となってきます。

アメリカの神経学会の情報によるとトゥレット症と強迫性障害の併存率は10%~50%

私がこれまでお話した何百人の当事者、親御さんから見ても、強迫の度合いは大小異なりますが、この数字より多い印象があります。

つまり、チック症・トゥレット症(トゥレット症候群)を改善させるには、強迫性障害を対処する事も重要ということ。

では、強迫性障害を改善するにはどの様な方法があるのか?

①薬物療法…フルボキサミンやセルトラリン…etc

②認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy略してCBT)の1つ暴露反応妨害法(Exposure and response prevention略してERP)、公認心理師/臨床心理士がいる大学病院、認知行動療法を専門とした心理士のいる認知行動療法センター等で行われています。

③栄養療法も効果があるといわれていますが、その効果は当会としてはまだ未確認です。

私自身上記3つの治療法を実践していますが、投薬と同時に認知行動療法(ERP)を行う事が効果的であると個人的に感じています。

強迫性障害を対処する事が結果チック症状の改善に繋がる場合もあります

何処に原因があるのか?何がチック症状を悪化させているのか?しっかりと機能分析を行い、チックトリガー、悪化因子を見つけ対処する事がトゥレット症の改善への近道です。